座ってみると
「座ってみると何か起きるかな」と思った訳でもないが、6年以上ぶりに座禅をしてみた。
中学高校は男子校の仏教校に通っていた。お寺の子どももいたが、一応進学校とされる学校で、ほとんどの生徒にとって仏教は「なんかあるな〜」くらいのものだったと思う。でも、行事に出たり、宗教の授業があったり、教員がお坊さんだったりと、やっぱり人並み以上には仏教に触れていた。
自分自身も在学中、年に10回くらいは座禅をする機会があったように思う。仏教にも宗派が色々とあるのだが、母校のものは座禅を修行の中心にしている宗派だった。
当時は、足や腰が痛むし、たまに酔って気持ち悪くなるし、何より「何もしない」で時間が過ぎていってしまう座禅の時間がそこまで好きではなかった。宗教の先生は座禅中は「ただひたすら座る」ものだと言い、邪念が浮かんだら振り払わなくてはいけないと言っていた。音が聞こえたら「あ、音だ。」でそれ以上は追わないのだと。
でも流石に、中高生に「何もしない」時間に価値を見出せ、と言ってもそれは厳しいよなと今では思う。24歳になった今だって、生産性のない時間は出来るだけ過ごさないようにしてしまうし、休日に昼寝をし過ぎてしまうとその日は少し落ち込む。「無駄な時間」や「何も生まない時間」にはそう簡単に寛容にはなれず、やっぱり時間は自分の将来などのために「有意義」に使わなければと日々どこかで真面目に焦ってしまっている。
でもそういう意識の緊張はここ数年のどこかの時点で少しずつ解れて来たようで、最近は「無駄な時間」や「意味のないこと」が許せるようになってきた。というより、そういうものにこそ価値があるような気さえしてきた。もちろん、より良い未来のためにやらなくてはいけないことは山積みだし、時間は有限で、ストイックに物事に取り組むことは大事だとは思う。でも、無駄が何か無駄じゃないものに転じることは大いにあるし、また毎日をサバイブしていく上では「意義を求めない時間」は絶対心の健康上大事だろうとこの頃になって思う。また少し話は離れるけれど、芸術や表現の話でも、無意味さや無駄さこそが大事だな、なんて最近は思うようになってきた。
だから、もちろん座禅は修行の1つではあるから、そこに精神的な向上が求められていなかった訳ではないとは思うけれど、昔の偉い宗教家たちもそこに向上だけを求めていたわけでは決してないんだろうと思う。「無の境地」のような感覚がどういうことかは分からないけれど、少なくとも座禅をしている時間は社会から切り離され、何かを考えることをやめていい時間、だとするならばそれは日常の中ではかなり得難い類の時間だなと思う。正直、久々に座ってみて、頭が空っぽになる感覚だったり、思考を完全に止めることは人間である以上相当難しいと思ったが、少なくともそれを許される時間を過ごしている、という事実だけでも何となく心が軽やかになる感覚はあった。
少し前の自分なら「座禅によって精神を鍛えよう、何かを得よう」のような思考でしかおそらく座禅に動機を見出すことがなかったなと思う。
こう思えるようになってきたのが自分の精神的成長だとしたらいいけれど、社会生活に疲弊してきている兆しだとしたら悲しい。でも多分両方が理由なのだろう、歳を重ねるってそういうことか、なんて思ったりしている。
月に一回程度は卒業生に開かれた座禅会があるようだから、また行ってみてもいいなと思う。
エジプトより
Manchesterロック歩き
マンチェスターとリバプールに5月27~29で行ってきました。
ロンドンからマンチェスターへはヴァージンの電車で二時間ほど。観光地としてマンチェスターはそんなにメジャーではないかと思うが、UKロック好きのひとには楽しい場所であります。
ここで今回の旅行でとても役に立った本の紹介。UKロックにゆかりのある場所を解説と住所とともに紹介してくれてます。僕自身、この本はイギリスをロック旅行していた人に教えてもらいました。UKロックを歩きたい方是非。
英国ロックを歩く U.K.ROCK LANDMARKS (SPACE SHOWER BOOks)
- 作者: 桑田英彦
- 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
- 発売日: 2013/05/29
- メディア: 単行本
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というわけでマンチェスターで訪れた場所を写真と共に紹介していきます。ケータイからだといくつかの写真の向きがおかしかったりします、すいません。
ギャラガー兄弟の育った家
左の家らしいです
家の前の通り
マンチェスターの中心からバスで40分ほど行ったところ。もっと不良がゴロついていて(アディダスのジャージを着ている)、治安の悪そうな場所をイメージしていたのだが、実際はとても閑静な住宅街でした。駅の周りにもお店がほんの数個あるだけで、典型的なイギリスの郊外といったところでしょうか。上の写真から感じは多少伝わるかな。ちなみにまだお母さんはこの家に普通に住んでるらしいです。観光地でもなんでもないので、自分不審者だったと思います。さっき紹介した本(普通に住所載せちゃってる)がイギリスで出版されていたらプライバシーの問題かなんかにひっかかってるかもしれませんね。
ギャラガー兄弟は成功してロンドンに移るまでここに母と住んでいたそう。初期の曲のいくつかはここで生まれたのでしょうか。とにかく静かで落ち着きのある場所で、普通にいい場所だったという印象。ちなみに画像は、ギャラガー家から10分くらいの場所にあるレコード屋。Shaker Makerの歌詞に登場するミスターシフターとはここの店主さんだそうです。
駅前のレコード屋。ここにノエルが入り浸っていたそう。空いてなくて残念。
The Board Walk
ここでオアシスが1991年8月に最初のギグをやったそう。
ハッピーマンデーズやストーンローゼズもここからスタートしたそうで、マッドチェスタームーブメントの中心だった場所だったみたいです。もうすでに閉業してしまっていて跡地でしかないです。
本当はスミスの関連の場所も行こうかと思ってたのですが、時間と気分の都合で行きませんでした。あとはマンチェスターには、クリームが初めてギグをやったクラブや、ジョイディヴィジョンのジャケットの橋などがあるそうです。興味のある方はさっきの本を是非参考に。
マンチェスターは近代的だけどところどころに古い建物も残っていて、僕はここの街並みがとても好きになりました。ロンドンともまた違う感じで良い。イギリス、イングランドに来た!っという感じがします。(イギリス人はよくロンドンのことをあそこはイギリスではないよ、とか言います。)ここに住むのも全然ありだなぁとか思いながら街歩きをしていました。あとなぜか赤いレンガの建物が多かった。
ヒルトンホテルと思われるビル。
ジョンライランズ図書館、おすすめです。
Manchester Cathedral
産業革命っすよ
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お、そういえばこの上の写真の博物館に訪れたときに面白い光景に出会った。博物館の中央のスペースで、キッズイベントのようなものが行われていて、幼稚園児~小学1.2年生の子供たちのためのものだったのだけど、それが音楽を題材にしたゲームや遊びであった。
イントロクイズのようなものから、選ばれた一人がヘッドホンをしそこから流れる音楽に合わせて体を動かし、その動き(踊り)から他の子供たちが四択でその曲を当てるゲームなどが行われていた。けっこう楽しそうだった。そして興味深かったのは下の光景だ↓
写真を見てもらえばわかるように、このゲームで使われる曲が'いかにも子供向け'という感じではないのだ(Let it Goとかもあったけど)。こっちのキッズたちはこういうの聴いて育ってんだなぁと感心?してしまった。まぁさすがに全員がOutKastにピンと来ていたかは定かでないけど。まぁでもこの子たちこの年齢からこれらの曲に合わせて踊ったりしてるわけです。
とはいえ僕は、「ようかい体操第一」とか聴きながら育つ日本の子供たちも負けてないとは思うけどね、あれはヤバイっすよ... プログレッシブ&ドープ...
話が逸れました。でもいつかこういう日本のアニソンとかJ-Popの特異性とか変態さについてもちょっと真面目に書いてみたいですね。
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マンチェスターの夜はEast India Youthのライブを観ました。彼はロンドンのアーティストだそうですが。
かっこよかったですが、一人で演奏することの可能性もみえたけども同時にやはり限界も見てしまったような気がします。
East India Youth - Turn Away (Live on KEXP) - YouTube
そんな感じで簡単(手抜き)ですがマンチェスター旅行でした。一泊だけなので全然深く観られてはいないと思うのですが、時間あったらサッカー関連の観光とかもちょっとしたかったすね。
リバプールについても書きたかったのですがちょっと気力の問題で次回に回したいと思います。
非日常すぎる日常 (5月3,4周目)
5月の3,4週があまりに非日常的な日々だったので、ちょっと記しておきたいと思う。そもそもロンドンで生活している時点ですでに日常が十分に非日常的なのだけども。以下ほぼ自慢↓
前回ここのブログに書いたように5月15,16日はブライトンのフェスThe Great Escapeでたくさんのナイスな音楽たちに触れた。そして翌日17日の日曜は観光日に当て、ブライトンからバスで1時間ほどのところにあるセブンシスターズという崖を見てきた。
セブンシスターズと聞いて、またこの写真を見てすぐにピンとくるあなたはイギリス映画好きでしょうか。そうです、ここは映画「さらば青春の光(Quadrophenia)」のあの有名な始めとラストのシーンの舞台です。モッズです、The Whoです。この映画を観たのはイギリスにくる前で、そのときは正直あまり映画自体ピンとこなかったので久しぶりにもう一度観たいな。感想が変わっているような気がする。
僕も青春の終わりと自分の凡庸さを受け入れるためにあの崖を登ってきました。なんてね(笑)。受け入れたくありませんね。
あの崖はチョークでできており、崖の上で膝をつくとズボンが白くなってしまいました。風は強かったものの崖の上からの景色は絶景。みんな同じかもしれないけど、やっぱり僕は人間が作った建造物よりも自然の産む風景に感動することの方が多いなぁ。
天気も良かったし日曜だったので観光客は多かったです。ちなみこの海はイギリスとフランスの境のドーバー海峡。イギリスの最南端にいるんですね。海や空が合うような音楽を聴きながらビーチで寝そべっていました。ヘナちょこダンディズム。
あと、ブライトンがとても素敵な街だったので写真で少し紹介。
さてブライトン旅行のあとは二日間休み、そこからスコットランド旅行(5/20~23)へ。そしてこの旅行でもやはり音楽を。22日にグラスゴーで行われたBelle and Sebastianのライブに合わせて旅行を計画したという感じ。グラスゴーはベルセバの出身地であるということとプラス、この日はオーケストラとの共演ということで、半年以上前からチケットを取りずっと楽しみにしていたもの。
[初日]はスコットランドの首都エジンバラ(Edinburgh)に。夕方到着したのでこの日はこれといった観光はしていないが、ホステルで出会ったアメリカ人の若者とワインを飲みながら音楽の話をしたのが楽しかった。彼は初対面でいきなり、Hi, I'm Joseph, Do you wanna drink my wine?とかいって話しかけてくれたのだ。もちろんアメリカ人のなかでも彼は上位にフレンドリーなタイプだとは思うが、それでもやはりアメリカ人のこういうところは素晴らしい風習だし、見習うべき点だなと感じる。彼はホステルですれ違う人だいたいにHi~と声をかけていたし、それをされて嫌に感じている人なんていなかったしな。彼は世界を旅しているらしいのだけど、これならどこでもやっていけるよなぁと感心。実際彼はそんな感じで知り合った人(リッチらしい)にタダで一週間くらい泊めてもらっていたしな。
そしてたまたま彼がミュージシャン(ドラマー)だったのはラッキーだったし、彼の作品をたくさん聴かせてもらったり音楽の話をしたのは面白かったな。僕の英語は相変わらずダメダメだったけれども。
そして彼に「君の作品も聴かせてよ」と言われた時の切ない気持ちは忘れられない。僕はたいてい音楽のことで頭がいっぱいなのに、そのアウトプットを作品としてちゃんと形にできていない。これでは、はい、あなたはリスナーね、と彼らに線引きされてしまうのは当然である。けど自分的にはやっぱり切なかったなぁ。そろそろちゃんと形にしていかねば、と痛感。
その夜は彼とジャズバーに行った。ジャズバーなんかというシャレた場所にはあまり行ったことがなかったのだが、演奏していたのはフォークやブルース、ロックみたいなものだった。ジャズミュージシャンたちによるひたすら長い即興ジャムなんかを期待していたのだけどね。日にもよるんですかね。でもそこで観たバンドも弾き語りもめちゃくちゃレベル高くて、とても良い演奏を観れたので満足。入場料とかも無料っていうのがすごい、ミュージシャンたちは観客からのチップが収入なんでしょう。お客さんたちは地元の人ばかりだったように思うのだけど日常的にこのレベルの演奏に触れているというのはすごいことだなと感じた。ロンドンなんてもっとそうだろうけど。ちょっとジャズクラブ的なものをロンドンでも探してみようかしら。
[2日目]は
博物館やギャラリー、丘に登ったり観光地の定番を回った。エジンバラは街並みが美しくて歩いているだけでも楽しかった。古くから建っているんだろうなと思わせるような空気を漂わせるな建物が多い。あと僕ゴシック建築?好きなので(適当)楽しかったです。
ちなみにアダムスミスはこの街出身なんですね。立派な銅像が立っていて、経済学部生の僕としてはもう興奮して仕方がなかったですね。見えざる手よ~ 見えざる手よ~ ってね。(それしか知らない) あとはJKローリングさんもこの街でハリーポッターを書いたとか。ちゃんとその彼女が第1巻を書いていた場所と言われるカフェに行ってきましたけどね。いちおうハリポタ世代なので。
一人旅は自由に回る場所を決めたり、思いつきで計画を変えたりと、融通の利く旅行ができるというメリットがあるのだが、夜になると一人旅はけっこうやることがなくなってしまうという問題がある。夜になると観光地は閉まってしまい、一人でちゃんとしたレストランなどに入るのはちょっと気がひけるし、あまり見知らぬ土地で夜に一人でうろうろする気にもならない。というわけで僕は...
はい、またライブに行ってきました。ネットで調べたらその日エジンバラでHoneybloodというグラスゴー出身の女性二人組バンドのライブがあることを発見したので行くことに。Honey Bloodはついその前日にFoo FightersのUKツアーの前座に参加することがアナウンスされたばかりということで、いま熱いバンドだったのでラッキーでした。
こんなバンド↓
Honeyblood - Super Rat - YouTube
いかにもインディーロックであります。演奏はサポートなど入れず、ギターボーカルとドラムの二人だけ。ドラマーが最高に良かったであります。女性の叩くパワー系ドラムはいいですね。MCでもフーファイのサポートのことを話していて、いまこんな小さい会場で目の前でやっているバンドが来月にはスタジアムとかで演奏しているのかと思うと僕も今日出会ったばかりのバンドだけどなんか親?みたいな気分に(笑)。それが決まったとき彼女ら相当嬉しかったろうなー。
ところでイギリスではこの前座の制度が日本よりもしっかりと機能しているような気がする。こっちでライブにいくとほぼ必ず前座が二組ほどいる。だから本アクトのライブの開始時間は9時半とかで、これは最初こっちに来た時驚いた。(日本だとだいたい7時半とか?) もちろん会社帰りのお客さんが観られるようになどの配慮もあるとは思うのだが、この前座の場がしっかり若手アーティストに演奏の機会が与えられ、認知されるチャンスとなっているのはいいことだなと思う。もちろん観客としてもたくさん観られる方が楽しい。
[3日目]は
朝から観光の定番、エジンバラ城とスコッチウィスキー博物館を見学。エジンバラ城の中には牢屋があったり軍の博物館があったり、財宝?が飾られていたり。こういうときに世界史とかイギリスの歴史がわかっていないとツラい。僕は全くわからないので、これ色々わかってたらもっと楽しいんだろうなーとひたすら感じていた。ちょっとイギリス史勉強する気がでました。せっかくイギリスにいるのだから大きな流れくらいはわかっておきたい...
ウイスキー博物館は楽しかった。アトラクション型の乗り物があったり試飲させてもらえたり。スコッチウイスキーのなかでも産地によってけっこう味が違うんですね。嗜み方も指導してもらえる。ウィスキーの色も楽しむのだとか。
さぁこれが終わると、いざベルセバのためグラスゴー(Glasgow)へ。エジンバラからは電車で1時間ちょっと。ちなみに同じスコットランドだけど二つの都市は全然違っていて、グラスゴーは工業都市として栄えたことから、もっと街が全体的に灰色な感じで、ちょっと治安も悪め。エジンバラが思いっきり観光地っぽいのに比べ、グラスゴーは生活感がある感じ。でも音楽ファンからしたらグラスゴーっていうのはUKロックを語るには外せない場所で、Belle and Sebastianはもちろん他に、Franz Ferdinand、Primal Scream、Travis、The Fratellis、などのバンドのホームタウンであり、グラスゴーのシーンっていうのがちゃんとある場所みたいですね。クリエイションレコードの創始者アランマッギーもグラスゴー出身。
というわけで特に観光地もないし(ちゃんと探せばあるんだろうけど)、ベルセバのライブまでは時間あるし、ということでネットで色々調べていると、なんとここグラスゴーにはあのオアシスがアランマッギーに会ってクリエイションと契約したといわれているライブハウスがあると!
というわけで行ってきました。場所はGlasgowの中央駅から歩いて15分くらいのKing Tut's Wah Wah Hutというヴェニュー。いまでもグラスゴーの名店として、若手の登竜門的な場所として機能しているようだった。スケジュールを見ると一ヶ月毎日埋まってしたし、名前を耳にしたことのあるバンドもちらほらと。店の中にはこれまでここに出演した数々のビッグネームたちの名前が。併設してるバーでフィッシュアンドチップスを食べながら、ひとり感慨深い気持ちになっておりました。ここでRock 'n' Roll Starを演っていたのか、と初代ドラマーのトニーマッキャロルに想いを馳せていました。
ところで最近いまさらになって気づいたのですが、オアシスの1stに入っているColumbiaという曲めちゃよくないですか?いまあまり関係ないですが。でもやはりあの頃のノエルギャラガーのソングライティングは本当凄いしリアムの歌も上手い。ノエルはいまでもいい曲たくさん書いてるけど。ノエルのソロも皆さん聴いてますか?新作も良かったですよ。
ここで若き日のギャラガー兄弟が...
さぁちょっと気持ちがOasisモードになっていたところでベルセバに切り替えです!
グラスゴーでベルセバ、withオーケストラ。これは最高に決まってますよね。実は去年の10月頃にロンドンでベルセバのキーボーディスト、Chris GeddesさんのDJに行った時に彼にお会いしていて、そこで小便を並んでしたり、ライブ行きますって伝えたりしているという、いい思い出が。さすがに覚えてくれているかはわからないけど、すごく優しくていい人で、まさにベルセバの音楽のようでした…。なんてね。
そんなときから楽しみにしていたライブ、やはり最高でした。なんというのだろうあのステージを眺めていて幸せな気分になってにやけてしまう感じは。多幸感、ともまたちょっと違っていて心が温まる感じ。フロントマンのStuart MurdochもコーラスのSarah Martinも二人とも本当に良い歌声だった。オーケストラとロックバンドのライブというものは初めて体験したのだけど、やはり生の弦楽器隊の音圧や、繊細な表現はベルセバの演奏をより色彩豊かなものにしていたし、アレンジなどもより原曲に近い再現がされていたり、また原曲にはないアプローチなども加えられておりとても豪華なものだった。
やはりオーケストラが加わっているせいか全体的に少々音量が小さめだったのは少し気になったがそれにしても、もう最高という言葉しか思いつかないようなライブであった。本当名曲だらけなんだよなぁこのバンドは。
あ、そういや今年フジロックにも出ますね!観るしかないですよ!
Belle and Sebastian performing "My Wandering ...
さぁこんな風に非日常的ともいえるくらい楽しい毎日が続いているわけだが、これがまだ終わらない!
次の日(5/23)は早朝ロンドンに戻り、そのままの足で引っ越し。これまで住んでいた学生寮に期限が来たので、別の寮に移動。優しい友人の助けを借り、地下鉄と徒歩で移動。めちゃめちゃに疲れたものの無事引っ越しが完了し、しかも以前はロンドンの中心からかなり離れた場所にすんでいたのがいまはもうまさにロンドンの中心だし、ロンドンでもイーストロンドンというちょっとオシャレでアーティスト系の人とか若者が住み着いているエリア。あのRough Trade Eastにも歩いて行ける!という自分的に最高の立地。残り2ヶ月ここを精一杯楽しみたいと思う。
さぁそして翌日(5/24)はなんとロンドンでPaul McCartneyを観にいってきた。
説明はいらないだろう。こんなの最高に決まっている。ビートルズが生きた街ロンドンでビートルズの曲を聴いているのだ。オーディエンスにはイギリス人のおじいちゃんやおばあちゃん達、当時少年少女だったこの人達とポールの音楽を共有している感動。
セットリストは2013年の来日公演とほとんど変わらなかったけど、そのときはやってくれなかったCan't Buy Me Loveをやってくれたり、やはりイギリスなので曲間での喋りが長かったりと東京ドームで観たときと違う楽しみがたくさんあって良かった。
個人的に良かった曲はHere Today(ジョンのくだりはやはり泣ける)、Queenie Eye(新譜からの曲、いまだに現役として世界で最高のソングライターの一人だよポールは)、Can't Buy Me Love(イントロが鳴った瞬間あのよくビデオで映る当時のキャーキャー叫んでる女の子達の気持ちがわかった)、Band on the Run(曲が良すぎる最高)、Hey Jude(シングアロングは最高)、あたりでしょうか。Queenie EyeにしてもNewにしてもHope For The Futureにしても最新の曲が良いっていうのは本当にすごいことだ。ポールの時代感覚は、最近カニエウェストとかと共作もしていたように、常にアップデートされているし、それにあのメロディーセンスが加わるからもう敵なしなんだよな。もちろんステージパフォーマンスも72歳とは決して思えないもので、何もかにがすごすぎるよポール。あ、あとあのバックメンバーたちも相変わらずみんな良かった。ちなみにThe O2はロンドンにある巨大なアリーナ施設なのだが、あれほど大きい会場でそれぞれの楽器がクリアに聴こえ、音がとても良かったのが驚いた。一緒に行ったイギリス人の友人も絶賛していた(もちろんポールのことも!)。とにかくイギリスでポールマッカートニーを観ることができるなんてもう夢のようでございました。
Paul McCartney - Queenie Eye (Official Video) - YouTube
このように5月中盤はブライトンでフェス、スコットランド旅行、ベルセバ、ポールと最高のイベントが連続で起き続ける、というすごい期間であり、まさに非日常的なことが日常的に起きてしまっていたような感覚。
これを読んでくれている日本の友人たちor顔も知らないあなたはひょっとしたら、もうこの辺で(いやもっと前から)僕のことをちょっと嫌いになってしまっているかもしれない。僕も逆だったらそう思ってしまうかもしれない。なんせ僕はあまりにも恵まれているし楽しみすぎてしまっている('楽しいこと'は人それぞれ違うのは承知だけどそれにしても)。自分でも自分がこんな幸せな経験を享受するに値するのかと疑っているし、実際ちょっと罪悪感的な感情を感じでしまうときもある。ただもうこれはもうこれらの経験を将来への投資として考えるしかないと納得し、いまの自分をサポートしてくれている人たちに必ず恩返しをするつもりで日々頑張るしかないと思っている(真面目だよ)。これらの経験をただ'楽しかった'で終わらせてしまってはいけない。どうにか自分の成長の糧、血肉にしていかなくてはなぁと。ただやはり、このような経験はただ楽しんでいるだけで成長もなにもないだろうと思ってしまうこともある。しかしそれでもやはり、いまここできることをやっておかないと将来振り返ったときに後悔してしまうような気はしてしまっているし、それは時間であったり若さであったりで、お金やなんかではどうにもならないことなんじゃないかな、と生意気ながらに考えてていたりする。
まぁとにかくそんなこんなで2週間のうちフェスに行ったり旅行をしたりして、そのあとベルセバ、ポールという大好きなバンドたちのライブを観るというように、イギリスを大満喫してしまっているわけです。そしてこれは今後もノンストップで続きます、明後日からはマンチェスターとリバプールに行ってきます。またブログに書くかもしれませんね... では、また!
※ 5/28 正確な表現のため若干文章を訂正。
イギリスのフェス、The Great Escapeに行ってきた(Part2)。
さぁポールウェラーのチケットをゲットするために早く寝た僕は、朝8時に起きチケット引き換え替え所に向かう。着くともうすでに行列が。シークレットライブであるため会場もチケット数も情報がでておらず、みんなドキドキしてる感が伝わってくる。
で、結局チケットは余裕でゲットできました!(文章盛り上げるの下手か) まぁチケットを手にした時はニヤけが止まりませんでしたが。
ポールウェラーのライブは昼の2時からだそう、これに従い今日のプランを軽く考えます。そして早起きしているせいで一発目のライブまでけっこう時間があったので、ブライトンの博物館に入ることに。
この博物館の展示がすごく良くて、これについても書きたいけどまたの機会とします。とりあえずいまはThe Great Escapeについて書き終えたい。
では2日目に観たアクトの紹介いきます!
Taffy(Japan)
一発目はこの人たち!日本のバンドなのだけど、NMEで取り上げられたり、The CharlatansのTimのお気に入りであったりと海外からの評価が高いバンド。実は僕は昨年10月のロンドンの単独公演も観に行ってるのでその時ぶり。今回、ライブ前にギタリストのasanoさんにお会いして、その去年の公演の時に少しお話しさせてもらっていたのだが、僕のことを覚えてもらっていたので嬉しかった。ライブはというと、そこらのUKの若手バンド達よりもよっぽど良いブリットポップやシューゲイザーを鳴らしていたし、かつそこにメロディーなどにJ-Pop的な要素も感じられる部分もあり、なかなかオリジナリティある音楽で、イギリス人のオーディエンスも大いに盛り上がっていた。前回観た時よりもかっこよくなっていたな。このあとイギリスを回ってアメリカのツアーに行かれるそう。ビッグになっていってほしいバンド。
ちなみに今回のフェスには日本から他にパスピエ、moumoon、Yosi Horikawaという3アーティストも出演していた。パスピエとmoumoonはちょうどこのGreat Escapeの直前にロンドンでウォームアップギグをやっていたのでそっちで観させてもらった。僕自身もバンドで出演したことがあるような小さいハコだったし、チケット5ポンドだし、いまの彼らの日本での人気を考えたらありえないですよね、去年パスピエを確かサマソニのマウンテンで観たもんな。CDの音源はそんなに僕の好みではなかったけど、パスピエのライブはすごく上手かったし良かった。それにこっちに来てからイギリスやアメリカのバンドのライブばかり観ているから、あぁいう音楽はすごく新鮮だった。パスピエみたいな音楽は海外の人からしたらどう聴こえるんだろうな。みんなけっこう踊っていたけど。
Yoshi Horikawaさんのライブも別の機会で観たことあるけど凄かったのでチェックです、僕はこういったトラックメイカー(?)みたいな音楽は普段親しみがないのだけどそれでも生で聴いてすごく興奮したので。
Paul Weller (Modfather)
開場の30分前くらいに行ったので最前列(端のほう)で観ることができた。ライブに来られただけでも最高なのにこんな近くで観られるとは!もうね、本当に本当にかっこ良かった。このフェスってショーケース的なフェスだし、このポールウェラーのライブも例に漏れず内容はそういうもので、45分のセットのうちそのほとんどが今月出る新譜からのものだった。だから、懐メロ大会でもなんでもないんですね。それがそれがもう最初の曲のギターのリフが鳴った瞬間からもう感動ですよ。かっこよすぎる。僕自体ポールウェラーは実はちゃんと聴いてこなくて、ちゃんと好きになったのもこのイギリス留学に来てからなので、その感動というのは'目の前にレジェンドがいる'っていう事実に対する感動ではなかったと思っていて、単純に音楽が素晴らしくて音楽に感動させられたということにつきるんだよあれは。知らない曲ばっかりだったからね! このフェスでもここまで色んなアーティストを観てきたけどもう断トツに良かった。あんなにベテランなのに一番ステージパフォーミングも熱かったし、妥協がなかった。なんというかポールウェラーの音楽に向き合う姿勢の真摯さをめちゃくちゃに感じたライブであった。音楽からプレイヤーの人間性までを感じるライブというのはそうない。あとあれだ、ギターの音が抜群に良かった。あんなテレキャスターの音は聴いたことがないってくらいのものだったなー。(下の動画からでも伝わってくるのでチェック!) バックメンバーも超上手かったしね。ドラムもパーカスと二人でリズム隊が最高によかったなー。もう自分の中で絶賛の嵐で吹いていてキリがないのでここでやめにします。売れてるから良いんじゃなくて良いものだから売れているという忘れがちな真理を強烈に痛感した日でありました。
paul weller live - t in the park 2014 (part one ...
さぁここからは1日目の教訓を生かし、一つの会場に入ったら移動しない方針に。一度会場を出てしまうと、また進むかもわからない行列に並ぶ羽目になるからね。というわけで目当てのSwim Deepが出る会場で、そこに居座り4バンドを観ることに。
Bad Breeding(UK)
うーんちょっとこれはよくわからなかった。目が気持ちよくなってるボーカルが暴れていたので、攻撃されそうになったときのために身構えていた。全部同じ感じに聴こえてしまったな... ギターはかっこよかった。
BAD BREEDING - CHAINS - YouTube
Girl Band(Ireland)
ノイズバンド。音程もメロディもなかった。ベースはずっと瓶でスライドで弾いてるし、ギターはずっとエフェクター芸だし。こういうのがノイズかーという感じ。ちょっと僕にはついていけなかった。Bad BreedingにしてもGirl Bandにしても大きい会場でいい時間帯で演奏しているバンドなので、ある程度メディアから(このステージはスポンサーがNME)評価を得ているバンドなのだろう。そんな二つのバンドの良さが全く理解できないとなると、ちょっと自分の感覚が不安になったりもしたのだが、どうなんだろう...。
GIRL BAND - De Bom Bom - YouTube
Slaves(UK)
これはいまけっこう熱いバンド。この頃よく名前を聞くようになった。最近このドラム+ギター(ベース)っていう二人組多いよね。なんでだろう。去年もこのフェスにRoyal Blood出てたみたいだけど。このSlavesもRoyal Bloodレベルになりそうだな、という感じがした。観客からの人気がとにかくすごかった。曲の冒頭のリフが鳴るたびにキャーキャー言ってたもんな。二人だけど音の薄さは少しも感じなく、むしろすごくパワフルだったな。声のせいかな、歌はすごく上手かった。リフは使い古されたものしかないし、音楽的に新しさがないのに新鮮だったのは、どこかコミカルなメロディー(とキャラ)のせい?しかしなぜここまで人気?という気もしてしまうが。いや確かにキャッチーだしかっこよかったけど。これから売れていきそうなバンド。
Slaves - Cheer Up London - YouTube
Swim Deep(UK)
これはもう日本でも有名なバンドですね。去年もロンドンでリバーティンズの前座をやっていたな。でもなぜかSlavesが人気すぎてSwim Deepでオーディエンスが激減という謎の現象が。僕は最前列で観ていたのだが、フロントマンが演奏中に降りてきて彼の缶ビールをなぜか僕にくれたので、それを飲みながら観た。未開封のビールだったのでSwim Deepのボーカルと接吻したことにならなかったのは残念。内容としては少々実験的すぎる曲についていけなかったり演奏が若干イマイチなところがあったりはしたものの、To My BrotherとHoneyは最高に良かった。名曲でした。ビールも美味かった!
Mew(Denmark)
これももうすでにビッグなバンドですよね。絶対満員で観れないだろうなと思っていたのですが、Swim Deepのときの観客の減りを考えたら、これはフェス最終日だからみんな終電を気にして帰っているに違いない、と踏みMewの会場へ行くことに。実際会場には余裕で入ることができ、さらになかでTaffyのドラムのkenさんにお会いする。いろいろバンドのお話など聞かせてもらいながら、ライブ開始までの時間を楽しく過ごした。
Mewのライブ、素晴らしかった。メロディーもアレンジも本当に綺麗で、なんと言うのだろう、北欧感?オーロラ感?宇宙感?が感じられるライブだった(MVのせいもあるけど)。バンドの演奏により世界観というかMewワールドに包まれる感覚で、ライブでそういう感覚になることはほとんどないのですごいことだと思う。演奏は本当にしっかりしていて完璧、おまけにライブハウスの音響も最高。フェスを締めくくる最後のアクトとしてすごくいいものが観れたな、という感じ。
Mew - Satellites (Official Video) - YouTube
フェスの動き方を覚えた二日目は一日目に比べ断然効率よくフェスを楽しめたし、また運も味方してポールウェラーの信じられないくらい素晴らしい演奏も観ることができた。最高の満足と共に宿に戻ることができました、もうルンルンです。
簡単ではあったが今回のThe Great Escapeで僕が観たアーティストについて紹介してみた。なんせ総アーティスト数が450を超えているそうだから、きっとたくさん他にも良いいアーティストたちを見逃しているだろうとは思うが、これを読んでくださった方の音楽ディグりのちょっとでも参考になれば幸いである。
フェスとしては、このような新しい才能のショーケース的なフェスということで、オーディエンスもメディアや音楽業界系、またミュージシャン自身(なんせ参加してるバンド数が多いため、彼らもまた観客としてそこらにウヨウヨいる)が多く、フェス自体の雰囲気が音楽に対してしっかり向き合っている気がしてすごくよかった。もちろんアーティストたちの演奏も本気だったしな。
また、イギリスのバンドだけでなく、アメリカはもちろん、ヨーロッパ各国や日本、南アフリカなんかからもバンドが参加していてそういうオープンな姿勢もすごくいいですよね。
そしてブライトンという町、ここは本当に最高。音楽に溢れているし、そうでなくても最高。海は最高。もうここに住みたいです。ブライトンについてはまたの機会にアップできたらな、と思います。
このフェスは今年で10回目らしいのだけど、このような音楽ラヴァーたちのフェスとしてちゃんとコンセプトを持って続けていることが、ポールウェラーがシークレットでフリーギグをやったりその他のビッグアーティストたちがサプライズで出演することにつながっているんだろうな。
まぁちょっと今日はブライトンからロンドンに帰ったカラダで夕方から深夜までひたすらキーボードを打っていたのでここで休ませていただきます。これを書いてるうちに新たな発見があったり、色々整理されたことがあったので書いてよかったと思う。またこのThe Great Escapeというフェスに関しても書き忘れたことがあったら後日追記するかもしれません。では。
イギリスのフェス、The Great Escapeに行ってきた(Part1)。
5/14〜16でイギリス、ブライトンにて開催された音楽フェスティバルThe Great Escapeに行ってきました。僕が参加したのは15,16の二日間、ちなみにお値段は2daysのチケットで約50£(9000円くらい)。このフェスティバルは新人アーティストなどのショーケース的なフェスで、3日間で450以上のバンドが30以上の会場で演奏を行うというもの。これまで過去にたくさんのビッグアーティストが有名になる前にここに出演しているということで、若手アーティストの登竜門的なフェスとして注目度が高く、業界関係者やメディアも非常に多く来ており、また自分を含め一般客も新しいアーティストを発掘してやろう、という気持ちで楽しむ感じのフェスであります。ビッグなアーティストもちょくちょく出ていたり、サプライズギグがあったりするので、'新人アーティストの発見'以外の楽しみ方もできますね。
Line Upは興味があったら上の公式サイトを見てみてください。いちおうAlabama Shakesが15日のヘッドライナーなんですけどヘッドライナー(とその前座)を観るためには別に追加料金を払わなくてはいけないという制度で、ボケっとしてたら売り切れてしまっていてすごく残念。Alabama Shakesの新譜はめちゃくちゃかっこいいし、前座のThe Strypesも最近の曲を聴いたらだいぶいい感じのバンドにパワーアップしていたので観たかった。
Alabama Shakes: "Don't Wanna Fight" - David ...
まぁヘッドライナーの別チケット制は運営がケチというより、大きい会場がないから収容の問題で仕方ないんだろうな。このことには後でも触れるつもりだけど、このフェスはブライトンの普通の街中で行われているもので、そのほとんどが街のライブハウスやバーが会場になっている。大きい会場といっても市民会館のような場所なので、そんなに人が入らないのだよね。ただ、ほとんどの会場が歩いて10分くらいの距離に収まっているのでそれはすごく便利。あんな狭いエリアにあれだけたくさんのライブハウスやクラブがあるっていうのはすごいことっすな。
あっそれとブライトンはイギリスの定番のリゾート地で、僕は今回初めて訪れたのだけど、評判通りとても素敵なところだったので是非他の記事まるまる使って紹介したいくらいです。書けるかな?この記事書き終わって元気だったら書きます。
さぁでは自分が観たバンドなどを軽く紹介していきたいと思う。
Ciaran Lavery(UK)
一発目はこの人、たまたま入った場所でたまたま演っていたという感じ。ライブでは、アーコースティックギター1本の弾き語りだったので、いまYoutubeでレコーディング音源を聴いて驚いている、印象が違う!いいですね!歌もギターもとても上手かったし、弾き語りなのに全く飽きることなく聴くことができた。声も特徴的で良い。Jake Bugg, George Ezra, James Bayとか最近のイギリスはこういう弾き語り系ソロ男性アーティストを押して、売れている傾向にあるように思うけど次はこのCiaran Laveryくるかもしれませんね。
Ciaran Lavery - Left For America - YouTube
Lorice (UK)
これはもともと予習の段階で聴いて良さそうだったのでチェックしていたバンド。演奏があまり良くなくてエレクトロポップだけど踊れなかったなー。でもこの曲のはかっこいいですね。
LORIS - Yeah (Official Video) - YouTube
これを観たあとPINSというバンドを観る予定で楽しみにしていたのだが、会場につくと行列ができていて入れない。ここで気がついたのだけど、'このフェスは一つ一つの会場が狭いので簡単に入場規制になる!' フェスに来る前、時間帯によっては30分単位で計画立てちゃったりなんかしていたけど、そんな予定通りに観られるはずがないということをここで悟る。
PINS(UK)
PINS - Girls Like Us - YouTube
観たかった...残念。
Kuenta I Tambu (Netherlands)
よくわからないけど適当に入ってみたらやっていたライブ。これが最高だった。バンドの説明をみると、伝統的なアフロカリビアン音楽とヨーロッパのダンスミュージックの融合だそうです。これは新しい!打楽器陣二人の手数の多いビートとDJによるEDM調のガンガンくるあのパワフルなビートが一緒に鳴ってるので、生で爆音で聴くとリズムが本当にすごいことに。これはフジロックのお祭りピーポーたちが絶対好きなやつだ...
Kuenta I Tambu - Lightswitch, live @ 3voor12 Radio ...
Andy Shauf (Canada)
これは今回ひょっとしたら一番の発掘かもしれない。これもたまたま入った会場でやっていたのだけど、感動したなぁ。声が本当に優しい、そしてメロディーも優しいのだけどどこか寂しい。みんな本当に静かに聴くしかなかったし、カップルたちはそりゃいちゃいちゃしてしまうよなこんな最高な音楽が目の前で奏でられていたら... これからどんなアーティストになっていくか期待。
Andy Shauf - "Drink My Rivers" (Live at WFUV ...
Bully (US)
ブロンドのお姉ちゃんがフロントマンやってるバンドはだいたい好きなので、間違いないだろうと思って観に行った。ジャンルがハードコアっぽいのからパワーポップ、グランジまでとわりとバラエティある感じで、フロントマンの彼女も反抗期の中学生男子みたいな声から甘えた女の子っぽい声まで幅広い感じで歌い分けてて良かった。レコーディング音源に比べライブはだいぶ速いし激しい。
Bully "Brainfreeze" - YouTube
Hooton Tennis Club (UK)
これは予習の段階で、このブリットポップ感に最高さを予感していたバンド。ところで最近バンド名の末にClubつけるの流行り?単語三つでね。まぁライブは普通だったかなー、ドラマーはリンゴスターみたいで最高だったけど。でもやはり、もうこういう王道のブリットポップみたいなバンドはそこそこいい曲書いててもなかなか厳しいんだろうな、とは思ってしまう。同じようなバンドが大量発生してしまうのはイギリスでも同じ。観客をあっと驚かせてかつそれが良い音楽である、っていうのは本当になかなか難しいことですなぁ。でもこの曲は名曲です!
Hooton Tennis Club - Jasper - YouTube
さぁそしてここまで観た時点で夜10時。このあとの計画は予習の段階でかなりいいな、と思っていたRat Boyを11時から観て、しかもちょうどその会場の次のアクトがサプライズゲストになっていたので、それらを観るためにその会場に移動。まぁ15人くらい並んでいたが、開始の1時間ほどまえに来ているし大丈夫だろうと思い並ぶことに。
しかし結局、1時間以上経っても一歩も列が進まなかった!!なぜだ!寒いし!
後から分かったのはそのサプライズがThe Vaccinesだったということ。しかしこういう点はこのような街型フェスの弱点ですね、1時間以上待ってるお客さんがたくさんいるのに一向に会場に入れない。本当普通の街のライブハウスみたいなところでキャパは小さいし、会場を出た分の人数しか入場することができないからね。まぁそこでフェス側としては対策としてチケットに2つのランクをつけるということをしていました。上のランク(もちろん値段が高い)のチケットはそういうときに優先的に入れるんですね、だからか一般の列が全く進まなかったのは。合理的ですな。
というわけで10時以降を完全に無駄にしてしまったかつ楽しみにしていたRat Boyが観られなかったのでつまらない気持ちでホステルに帰宅。
Rat Boy (UK)
Jamie T みたいでいい感じですね、観たかった。
とここで、一つ心が明るくなるできごとが、ホステルに戻りメールボックスをみると'あなたは明日のポールウェラーのシークレットライブのチケットをgetするチャンスが与えられました。早い者順ですので明日どこそこまで9時に来てください。'みたいなメールが来ている!ポールウェラーのシークレットライブがこのThe Great Escapeで行われるというニュースが数日前に出てたからいちおう申し込みだけしておいたのだ。あのポールウェラーのライブが小さいハコでしかも無料でやるということだったので絶対当たらないだろうと思っていたが、なんでもトライしてみるものだ!
最後に1日目の写真を少し
Ciaran Lavery
Andy Shauf
Bully
Hooton Tennis Club
二日目に続く...
Foxygen @Electric Ballroom, 13 May
今日はFoxygenというバンドのライブに行ってきた。場所はロンドンのカムデンタウンにあるElectric Ballroomというライブハウス。ちなみにライブハウスっていうのは和製英語で英語ではvenueで、ライブのことはgigっていいますね。Foxygenは正直全然ファンといえるようなものではなかったのだけど、songkickというライブ情報がまとめてあるサイトで今日のライブのことを知り、前から興味のあるバンドではあったので行ってみることにした。チケットも15£とお手頃、ありがとうロンドン。まぁこのバンドはイギリスのバンドではなく、アメリカ、カリフォルニア出身のバンドなんだけどねー。Electric Ball Roomは有名なライブハウスで、中に入るとSmithやTalking Heads、Specialsなんかのレジェンドたちがここで演奏したときの写真がたくさん貼ってあったな。センキューロンドン。
Foxygen - San Francisco (Official Video) - YouTube
実は今日のライブの感想をブログに書く予定なんてなかったのだけど、今日のライブは素晴らしかったし、ちょっとおもしろかったので書いてみたくなった。ロンドンに来てから自分でも(色んな意味で)'お前大丈夫か?'って思うくらいライブにはよく足を運んでいるのだけど、今日のギグはいつもの'ロックコンサート'とはだいぶ違っていた。というのも、エンターテイメント性がすごかったのだ。ポピュラーミュージックのコンサートなんてものは当然エンターテイメントであるわけでお客さんを楽しませるのが目的なわけだけど、やはりどうしてもロック、特にインディーロックみたいなバンドのライブというものはどうしても音楽が主役になってしまう。もちろんそれでいいのだし、みんな音楽を聴きにきているわけなので十分にそれで楽しめたり感動できたりするわけだけど、今日のライブは音楽以外の要素が圧倒的に楽しかった。まず、YouTubeなどでライブなどをみたらわかるように、このバンドのフロントマンはけっこうはちゃめちゃ野郎で、今日のライブでもマイクをパンツに突っ込んだり、スピーカーの上に登ったり、曲の合間にウィスキーを一気飲みしたりとなかなかはちゃめちゃだった。そして、Foxygenのメンバー自体は2人なのだけど、サポートの楽器メンバー(ギター二人とベース、ドラム)が4人とそれに加えバックコーラスのお姉さんが3人いた。計9人でのライブはやっぱりエネルギーが違う。そしてここで何が一番言いたいかというと、今日のライブはとにかくこのお姉さんたちがとんでもなく可愛かった、ということ。彼女らはバックコーラスなのだけどダンサーも兼ねていて、常に曲に合わせてセクシーというかコミカルに踊っている。これがもうたまらなく良かったわけです。もちろん僕はスケベな目で彼女たちを眺めていたのだけど、とにかく彼女たちのこのライブへの貢献度はすごかったのです。スケベ関係なく、彼女たちのおかげでステージが本当に華やかになってたんですね。いままでライブでフロントマンやギタリスト以外をこんなに見つめ続けたことはなかったですねー。ちなみに僕は一番左のお姉さん推しです!しょっちゅう変顔しながら歌ってたところが最高にキュートでした。あーもうアメリカ最高。
バンドではなくコーラスの3人をステージ最前に立たせているのは珍しいけど大正解ですね
ちょっと熱くなってきたので、一回落ち着きましょうか。ふぅ。
で冷静に戻って、何が書きたかったかというとロックバンドやインディーバンドのライブにもこういうエンターテイメントというかショー性を取り上げるとかなり楽しいことになるな、というのが自分的にけっこう新しい発見だった、ということ。このまえの3月にCHIC(feat Nile Rodgers)のコンサートに行って、このときもやっぱり音楽はディスコだしヒット曲の嵐だし観客は皆踊りまくっているわけで、ロックコンサートとはまた違うエンターテイメントを感じてたわけですが、今回はインディーロックを演るFoxygenがちょと予想外な楽しませ方をしてくれたのがとてもおもしろかった。
Foxygen Full Set - Pitchfork Music Festival Paris ...
↑これは去年のPitchforkフェスの動画。コーラスの三人の音楽的な貢献度とビジュアル的な貢献度に注目。
今日のライブでは、ギターとベースが喧嘩し始めるくだりがあったり、コーラスのお姉ちゃん達とフロントマンの笑える絡みがあったり、いきなりメンバーがミュージカル映画みたいに歌い出したりする場面があって、ショーとしてとても楽しかった。もちろんそこにデフォルトとして、フロントマンは常に基本暴れているしお姉ちゃんたちは常にコミカルでセクシーというものがある。だいたいインディーバンドというのは、黙々と演奏して、MCなどもちょっとクールな感じでボソッとつぶやいたりフフッて不気味な笑みを浮かべたりして、またエフェクターやらを睨みながら演奏というように、やっぱりライブの主役はオーディエンスというよりバンドであり音楽である、というようなライブになることが多い(もちろん僕はこのような無愛想でストイックなライブも好きですが)。そういう意味で、このFoxygenは、CDなどで音源を聴く分にはインディー臭バリバリのそういう類のバンドなわけだったので、ここまで'ショー'を強調して魅せてきたのは以外だった。
もちろんよくよく考えると、去年フジロックで観たフレーミングリップスやアーケイドファイアもそういう意味でエンターテイナーなバンドではあると思うのだけど、やはりこういうライブハウスみたいな小さめの会場でで間近でそれを目にするととても興奮するものがあった。それに当然あのようなフェスのような大会場用のものとライブハウスでのものでは楽しませ方も変わってくる。
あ、それと余談ですが、今日のはすごくサザンオールスターズのライブが思い出されたライブでもあった。自分はありがたいことに親がサザンの大ファンであったので幼稚園くらいからわけも分からずコンサートに連れていってもらったりしていたのだが、サザンのライブでも必ず、ちょっとコントがあったり、セットが凝っていたりでオーディエンスを楽しませる工夫がたくさんという感じで、子供ながらに楽しんでいたように思う。演奏中もセクシーなお姉さん達と桑田さんのからみがあったりするけどそんなのは今日のFoxygenのライブですごく重なるものがあった。ちなみに、あのKISSもサザンのライブのチェックしてるというのを、昔インタビューで行っているのはみたことがあるな。俺たちは世界一のショーをいつも目指してるから常に研究を重ねている、とかなんとかジーンシモンズがいってたような。YouTubeに栗原類くんがインタビューしてる動画があったはず。ところでところでキッスはそういう意味ではそういうジャンルの先駆者でありますよね、そもそもあのメイクがそうだし、ギターが飛んだり口から火を吹いたりするものね。一度KISSのライブ生で観てみたいものです。今年のイギリスのDownload Fes(メタル、ハードロック寄りのフェス)のヘッドライナーだよねちなみに。
Foxygenの話からサザンやKISSになると思わなかったな。脱線しましたね。まぁとにかく、バンドの個性を考える上でこういう要素も以外と大事だったりする、というわけですね。当然今日挙げたどのバンドにも言えることだけど、音楽自体が素晴らしいのはもちろんですよ。バンドなんてものは星の数ほどあるわけでそのなかで目立って、オーディエンスを惹きつけていくにはこういう音楽以外のところで何をするかっていうのも大事な要素の一つになりうるってことですね。
なんかすごく当たり前のことをくどく書いてしまったな... まぁでもとにかくあぁいう野外フェスとかスタジアムとかデッカいステージでやるバンドが'ショー'や'エンターテイメント'を考え始めるのはまぁ当然だけど、こういういかにもなインディーなバンドが普通のライブハウス規模でであれほど音楽以外のところで楽しませてくれたのはなかなか僕的におもしろかったわけです。音楽以外、というのも少し変で、もちろんそれらは音楽を際立たせるためのものであったり、音楽と共にあったりするのだけど。
Foxygenは音楽的にはビートルズのメロディーやストーンズのソウル感、ドアーズのようなオルガンサウンド、初期ピンクフロイドのようなサイケデリックが感じられるようないかにもlate 60'Sなロックなのでその辺が好きな人は気に入るかもしれない。
ちなみに僕はこのバンド本当に'にわかファン'で5曲くらいしか曲と曲名一致してなかったりだったのだけど、そのショーとしての楽しさと普遍的なメロディー感ある曲たちのおかげで十分楽しめました。でも僕が知ってる曲は一曲もやってくれなかった(笑) これは本当謎ですね、有名な曲が演奏されなかったのは意味わからん。アンコールが終わってもアルバムのリードトラックが演奏されてなかったのでみんなずっとアンコール(こっちではWe Want More!っていうのがかけ声)し続けてたけど結局照明がついてショーはおしまい。最後の最後に、ん?観客へのホスピタリティーないじゃん?ってなりました(オチ)。観客に媚びずやりたい放題やる正直なバンドってことですかね... それが自然にあのエンターテイメントに富んだステージになってるんですかね、それはそれでかっこいいけど。
この曲聴きたかったなー。なんでやらなかったのかなー。それともただ僕がお姉さんたちのダンスに集中しすぎてちゃんと聴いてなかっただけかな...
Foxygen: "How Can You Really" - David Letterman ...