in the morning rain

ロンドンに留学している大学生のブログでした

Foxygen @Electric Ballroom, 13 May

 今日はFoxygenというバンドのライブに行ってきた。場所はロンドンのカムデンタウンにあるElectric Ballroomというライブハウス。ちなみにライブハウスっていうのは和製英語で英語ではvenueで、ライブのことはgigっていいますね。Foxygenは正直全然ファンといえるようなものではなかったのだけど、songkickというライブ情報がまとめてあるサイトで今日のライブのことを知り、前から興味のあるバンドではあったので行ってみることにした。チケットも15£とお手頃、ありがとうロンドン。まぁこのバンドはイギリスのバンドではなく、アメリカ、カリフォルニア出身のバンドなんだけどねー。Electric Ball Roomは有名なライブハウスで、中に入るとSmithやTalking Heads、Specialsなんかのレジェンドたちがここで演奏したときの写真がたくさん貼ってあったな。センキューロンドン。

  

 


Foxygen - San Francisco (Official Video) - YouTube

 

 実は今日のライブの感想をブログに書く予定なんてなかったのだけど、今日のライブは素晴らしかったし、ちょっとおもしろかったので書いてみたくなった。ロンドンに来てから自分でも(色んな意味で)'お前大丈夫か?'って思うくらいライブにはよく足を運んでいるのだけど、今日のギグはいつもの'ロックコンサート'とはだいぶ違っていた。というのも、エンターテイメント性がすごかったのだ。ポピュラーミュージックのコンサートなんてものは当然エンターテイメントであるわけでお客さんを楽しませるのが目的なわけだけど、やはりどうしてもロック、特にインディーロックみたいなバンドのライブというものはどうしても音楽が主役になってしまう。もちろんそれでいいのだし、みんな音楽を聴きにきているわけなので十分にそれで楽しめたり感動できたりするわけだけど、今日のライブは音楽以外の要素が圧倒的に楽しかった。まず、YouTubeなどでライブなどをみたらわかるように、このバンドのフロントマンはけっこうはちゃめちゃ野郎で、今日のライブでもマイクをパンツに突っ込んだり、スピーカーの上に登ったり、曲の合間にウィスキーを一気飲みしたりとなかなかはちゃめちゃだった。そして、Foxygenのメンバー自体は2人なのだけど、サポートの楽器メンバー(ギター二人とベース、ドラム)が4人とそれに加えバックコーラスのお姉さんが3人いた。計9人でのライブはやっぱりエネルギーが違う。そしてここで何が一番言いたいかというと、今日のライブはとにかくこのお姉さんたちがとんでもなく可愛かった、ということ。彼女らはバックコーラスなのだけどダンサーも兼ねていて、常に曲に合わせてセクシーというかコミカルに踊っている。これがもうたまらなく良かったわけです。もちろん僕はスケベな目で彼女たちを眺めていたのだけど、とにかく彼女たちのこのライブへの貢献度はすごかったのです。スケベ関係なく、彼女たちのおかげでステージが本当に華やかになってたんですね。いままでライブでフロントマンやギタリスト以外をこんなに見つめ続けたことはなかったですねー。ちなみに僕は一番左のお姉さん推しです!しょっちゅう変顔しながら歌ってたところが最高にキュートでした。あーもうアメリカ最高。

 

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バンドではなくコーラスの3人をステージ最前に立たせているのは珍しいけど大正解ですね

 

 

ちょっと熱くなってきたので、一回落ち着きましょうか。ふぅ。

で冷静に戻って、何が書きたかったかというとロックバンドやインディーバンドのライブにもこういうエンターテイメントというかショー性を取り上げるとかなり楽しいことになるな、というのが自分的にけっこう新しい発見だった、ということ。このまえの3月にCHIC(feat Nile Rodgers)のコンサートに行って、このときもやっぱり音楽はディスコだしヒット曲の嵐だし観客は皆踊りまくっているわけで、ロックコンサートとはまた違うエンターテイメントを感じてたわけですが、今回はインディーロックを演るFoxygenがちょと予想外な楽しませ方をしてくれたのがとてもおもしろかった。

 


Foxygen Full Set - Pitchfork Music Festival Paris ...

 ↑これは去年のPitchforkフェスの動画。コーラスの三人の音楽的な貢献度とビジュアル的な貢献度に注目。

 

今日のライブでは、ギターとベースが喧嘩し始めるくだりがあったり、コーラスのお姉ちゃん達とフロントマンの笑える絡みがあったり、いきなりメンバーがミュージカル映画みたいに歌い出したりする場面があって、ショーとしてとても楽しかった。もちろんそこにデフォルトとして、フロントマンは常に基本暴れているしお姉ちゃんたちは常にコミカルでセクシーというものがある。だいたいインディーバンドというのは、黙々と演奏して、MCなどもちょっとクールな感じでボソッとつぶやいたりフフッて不気味な笑みを浮かべたりして、またエフェクターやらを睨みながら演奏というように、やっぱりライブの主役はオーディエンスというよりバンドであり音楽である、というようなライブになることが多い(もちろん僕はこのような無愛想でストイックなライブも好きですが)。そういう意味で、このFoxygenは、CDなどで音源を聴く分にはインディー臭バリバリのそういう類のバンドなわけだったので、ここまで'ショー'を強調して魅せてきたのは以外だった。

もちろんよくよく考えると、去年フジロックで観たフレーミングリップスやアーケイドファイアもそういう意味でエンターテイナーなバンドではあると思うのだけど、やはりこういうライブハウスみたいな小さめの会場でで間近でそれを目にするととても興奮するものがあった。それに当然あのようなフェスのような大会場用のものとライブハウスでのものでは楽しませ方も変わってくる。

あ、それと余談ですが、今日のはすごくサザンオールスターズのライブが思い出されたライブでもあった。自分はありがたいことに親がサザンの大ファンであったので幼稚園くらいからわけも分からずコンサートに連れていってもらったりしていたのだが、サザンのライブでも必ず、ちょっとコントがあったり、セットが凝っていたりでオーディエンスを楽しませる工夫がたくさんという感じで、子供ながらに楽しんでいたように思う。演奏中もセクシーなお姉さん達と桑田さんのからみがあったりするけどそんなのは今日のFoxygenのライブですごく重なるものがあった。ちなみに、あのKISSもサザンのライブのチェックしてるというのを、昔インタビューで行っているのはみたことがあるな。俺たちは世界一のショーをいつも目指してるから常に研究を重ねている、とかなんとかジーンシモンズがいってたような。YouTubeに栗原類くんがインタビューしてる動画があったはず。ところでところでキッスはそういう意味ではそういうジャンルの先駆者でありますよね、そもそもあのメイクがそうだし、ギターが飛んだり口から火を吹いたりするものね。一度KISSのライブ生で観てみたいものです。今年のイギリスのDownload Fes(メタル、ハードロック寄りのフェス)のヘッドライナーだよねちなみに。

 

Foxygenの話からサザンやKISSになると思わなかったな。脱線しましたね。まぁとにかく、バンドの個性を考える上でこういう要素も以外と大事だったりする、というわけですね。当然今日挙げたどのバンドにも言えることだけど、音楽自体が素晴らしいのはもちろんですよ。バンドなんてものは星の数ほどあるわけでそのなかで目立って、オーディエンスを惹きつけていくにはこういう音楽以外のところで何をするかっていうのも大事な要素の一つになりうるってことですね。

なんかすごく当たり前のことをくどく書いてしまったな... まぁでもとにかくあぁいう野外フェスとかスタジアムとかデッカいステージでやるバンドが'ショー'や'エンターテイメント'を考え始めるのはまぁ当然だけど、こういういかにもなインディーなバンドが普通のライブハウス規模でであれほど音楽以外のところで楽しませてくれたのはなかなか僕的におもしろかったわけです。音楽以外、というのも少し変で、もちろんそれらは音楽を際立たせるためのものであったり、音楽と共にあったりするのだけど。

Foxygenは音楽的にはビートルズのメロディーやストーンズのソウル感、ドアーズのようなオルガンサウンド、初期ピンクフロイドのようなサイケデリックが感じられるようないかにもlate 60'Sなロックなのでその辺が好きな人は気に入るかもしれない。

ちなみに僕はこのバンド本当に'にわかファン'で5曲くらいしか曲と曲名一致してなかったりだったのだけど、そのショーとしての楽しさと普遍的なメロディー感ある曲たちのおかげで十分楽しめました。でも僕が知ってる曲は一曲もやってくれなかった(笑) これは本当謎ですね、有名な曲が演奏されなかったのは意味わからん。アンコールが終わってもアルバムのリードトラックが演奏されてなかったのでみんなずっとアンコール(こっちではWe Want More!っていうのがかけ声)し続けてたけど結局照明がついてショーはおしまい。最後の最後に、ん?観客へのホスピタリティーないじゃん?ってなりました(オチ)。観客に媚びずやりたい放題やる正直なバンドってことですかね... それが自然にあのエンターテイメントに富んだステージになってるんですかね、それはそれでかっこいいけど。

 

 この曲聴きたかったなー。なんでやらなかったのかなー。それともただ僕がお姉さんたちのダンスに集中しすぎてちゃんと聴いてなかっただけかな... 

 

 


Foxygen: "How Can You Really" - David Letterman ...